医療相談

●実施回数
通常24回+越年越冬期間3回(2020年4月~2021年3月)
●のべ受診者数
1158人 紹介状発行数 21通
●ボランティア参加人数
医師18人、看護師11人、運営・運搬サポート21人
(※毎回、医師、看護師、サポート合わせて大体15人くらいのボランティアが参加)
●医薬品の寄付
風邪薬、湿布類、トローチなど
●医薬品購入経費
約56万円(8月第2土曜日に配布の虫よけスプレー約12万円を含む)
●新型コロナウイルス感染予防キット配布数
5767セット
予防キット用のマスクや消毒液、石鹸など沢山のご寄付を頂きました。
包装材や小分け容器、マスク、アルコール消毒液など購入費用
約200万円
2020年度の活動はコロナ禍に始まり、コロナ禍に終わりました。年間通して前年度にも増して、沢山のボランティアさんが活動に参加してくださり、コロナ禍にありながら1度も休むことなく無事に医療相談会を実施することができました。2020年度の新しい試みとして、精神科の先生による「こころと体のよろず相談ブース」を設けたこと、また6月から歯科の先生がボランティアに来て下さるようになり、歯科相談を毎月1回開催できました。またコロナ禍での活動でしたので、感染防止に充分に気を付けて、雨が降った時以外はテントを立てず、各ブースの机の距離を2m以上離して配置、また発熱、咳、だるさなど訴える方を診察するために「発熱ブース」も設置して、1年を通して寒い日も暑い日も青空診療となりました。特に並んでいる方への聞き取りや検温に力を入れて、体調不良の方を素早く診察できるようにしました。1回の受診者数はお天気に左右されましたが、おおよそ30~50人で、毎回顔を見せに来てくださる方も多くおられました。一番多かった回は、55人の方が受診された11月14日でした。
幸い1年を通して新型コロナウイルスの感染を強く疑うような症状の方はいませんでした。風邪やアレルギーによる鼻水や咳、胃腸の不調や、腰、膝の痛みを和らげるための湿布を求める方が変わらず多かったです。また乾燥や虫さされ、蒸れによる皮膚のかゆみを訴える方も非常多く、プラスチック容器に小分けした軟膏類を全体で600個以上お渡ししました。ご自身で爪を切ることができず足に痛みが出ていた方もおられ、公園が暗くなった後も、ボランティア看護師が時間をかけてケアする場面も見られました。
こころと体のよろず相談では、精神科医と看護師らが複数名で、患者さんお一人ずつのお話をゆっくり伺う機会が多くありました。そのため、1回の炊き出し相談会で、沢山の方を診ることはできませんでしたが、一度じっくりお話を伺うことで、その方が実はどんなことに一番困っているのかをご自身で認識したり、ご自身のご希望がはっきりしたり、そこから生活相談に繋がり必要な支援にたどり着けた方もいらっしゃいました。医療相談会では多くの方が、繰り返し毎回訪れてくださいます。そこには利用者さんとボランティアとの間に信頼関係があり、ただ会いに来くるだけでもいいんだな、何か困ったらここに相談してもいいんだな、そう思って頂けている「場所」でもあります。そういえばある時こんな面白いことがありました。毎回歯科相談に訪れる方が、「今日は歯科医の先生おるんかな?ぜひお礼を言いたいと思って」 治療に繋がって痛みが取れたのかな?とか、この間頂いた歯間ブラシや歯ブラシのお礼かな?と思っていたら…「先生に教えてもらった、バトミントン用品のお店のセール行ってきたよ!いい物が手に入ったからそのお礼を言いたかったんやー」 そうか歯科相談ではそんな相談もできるのかぁと、目から鱗でした(笑)。この様なコミュニケーションが生まれている医療相談です。
さて、昨年3月から新型コロナウイルスの感染者数が減っては増えを繰り返し、常に新型コロナウイルスの感染と隣り合わせの1年でした。その様な中、医療班では新型コロナウイルス感染予防キットの配布を続け、2020年度は約5,800セットをお配りしました。感染予防や相談先を記したチラシ、マスク、手作りマスク、アルコール消毒液、液体石けんやティッシュ、カイロなどをセットにし、炊き出しや夜回りに並ばれた方、お一人お一人にお声がけしながら手渡しました。その際に、体調を伺ったり、その日の相談会のご案内をしたり、また行政が提供しているビジネスホテルの入居案内など、その都度最新の情報をお伝えするために積極的にお声がけしました。

この記事を書いた人

武石 晶子

炊き出しで医療相談を担う「ほしぞら医療班」のリーダー。
一般社団法人つくろい東京ファンドに所属。