病院の医師の対応について

今日は福祉行動の日でした。 
土曜日の健康相談会に60歳代のAさんは、全身の関節のこわばりとはれ、そして胃が痛いこと、吐き気がすることがつらいと相談にいらっしゃいました。医師のS先生に要治療・要精査という紹介状を書いていただいて、休み明けの福祉窓口に一緒に相談に行くお約束をしていました。

豊島区の福祉事務所で医療券を発行してもらい、近くのN病院に行くことになりました。豊島区で保護を受けると大体この病院へ行くこととなります。実はこの病院に行くことには少々戸惑いがありました。というのも、そこの医師の、「ホームレス」となってしまった方への対応で、患者さんが傷ついたことがわたしたちが付き添ったときだけでも2度あったからです。
今まで、診察もせずに患者さんがそのまま帰されたり、病態が重くても診察や検査をしない、患者さんが傷つく言葉をいわれた、ということがありました。

今回もこの医師にあたることは分かっていましたので、不安を抱えつつも、関節の腫れが素人目にもひどいこと、歩くのにも難しい状態だということ、その病院で胃潰瘍の既往歴があり、入院もしたことがあるということで、さすがに対応を考えてくださるだろうという、不安まじりのかすかな期待を持ちながら、Aさんと付き添いボランティア2名で病院へ行きました。
 
 そして診察の順番が回ってきました。Aさんは、よろよろ歩き、耳も遠く、コミュニケーションが得意ではなかったので診察室にお体を支えながら、付き添い症状を説明しました。

「1ヶ月前から関節痛と腫れがひどくなりました。また、胃が痛く、吐き気がするそうです。」
と言うと、

B医師は、
「関節は整形外科に行ってください。
そんなことより生活を立て直すことを考えたらどうですか。
乞食みたいな不潔な生活をしてれば誰だって関節くらい腫れますよ。
 胃は胃薬出しておきますので。じゃ。」
と、目を合わせず、声色ひとつ変えずに言いました。

診察室に入ってからB医師はAさんの目も、顔も、脈も、関節も体も見もしませんでした。
あまりの言葉にあっけに取られてしばらく何も言えなくなってしまいましたが、Aさんのことを思うとこのまま引き下がるわけにもいかず、
「Aさんは、12月まで仕事をしていた方です。朝に2時間の関節のこわばりがあって、指先、膝、肩に関節痛と腫れがあります。胃潰瘍の既往もある方です。」
 と言っても、
B医師はやはりAさんを診ようともせず「まあリウマチってこともあるかもしれないけどね。」と言い、その場で診察を終わらせました。

Aさんは、病気で体を壊していた期間以外はずっと自立して働いてきた方です。それが1月にはいって関節が動かなくなってしまい、体中は痛み、毎日自分で4~5時間もマッサージしたり動かしたりしていないと関節がこわばり動けなくなってしまう状態で仕事もできず、やむに止まれず苦しい思いをして訪ねた病院の医師がこの対応です。
Aさんは、「ああ言われちゃしょうがないよね。かなわないもんね。」とつぶやいていました。

この医師は以前にも「乞食をやめれば病気は治りますよ」と、患者さんに対していったことがあります。

今後もこんなことが続くことはあってはならない、と思い、受付の係りの方にこの医師の対応と発言があまりにひどいことを訴えました。
すると、しばらしくしてわたしたちがもう帰ろうとしていた頃に呼び止められ、別のC医師が診察してくださることになりました。
C医師は「噂には聞いていたけど、そんな対応だったとは・・」としばらく考えこむようすをしてから、ことこまかく話を聴いてくださり、血液検査・尿検査・レントゲン、そして体の関節の腫れをさわって診て下さいました。採血も、採血台があるところまでAさんが立ち上がって歩いていくのがかわいそうだ、と言って、C先生が採血台を運んできて自ら採血していました。
Aさんは「すみませんねぇ。申し訳ないですねぇ。」とたくさん謝っていましたが、「いやよかったよねぇ。安心したねぇ。」と仰っていました。

同じ院内とはいえB医師とC医師の対応の間にはずいぶんな差がありました。
C医師は、その日に出た結果の中でリウマチの疑いがあること、治療には長い時間がかかるけど根気よく治療していきましょうと時間をかけてAさんに丁寧に説明しました。

C医師は、B医師の対応について、病院で考えてくださるといってくれましたが、一方で、お困りの方はわたしが診ますから、わたしのいるときにきてください、とも言っていました。
とはいえ、わたしたちが主に病院を訪れるのは、健康相談会後の休み明けの月曜日で、担当の医師を割り振るのは病院側ですし、B医師の対応について、病院側に真剣に考え直してほしいと思っています。

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