9月12日 炊き出しボランティア日記

僕は昨年11月より、自分の生活に少し余裕が出たので、ホームレス支援をライフワークにしている元主治医に、近くで僕が参加できそうな支援団体がないか訊ねました。そうしたところ、元主治医自身が参加しているTENOHASIを教えてもらい、参加してお手伝いを始めました。

僕はホームレスに関心を持った人生の中での3つのことがあります。
1つめが、僕自身が14歳~15歳頃、家が怖くて帰れず、公園の低木の隙間や家の屋根の瓦の上などにシュラフを敷いて寝ていた、プチホームレス状態の時期がありました。10代の当時ですら、屋外で一晩過ごすと、3日分くらい歳をとったような、凄い疲労感がありました。この状態がいつまで続くかわからない中、屋外で寝起きをしているホームレスのかたの健康維持は、とても大変だと感じます。
2つめが、20歳頃に出会ったYさんという、当時、僕が勤めていた職場に入ってきた、おじいちゃんホームレスのかたとの出会いです。僕はそれまでホームレスは、ダンボールハウスの人みたいなイメージでした。しかし、Yさんは自転車を所有していて、そこに荷物を括り付けて移動しながら、家はないものの働いているので、ファミレスなどで夜を過ごす生活をしていました。紆余曲折あり、一時期、Yさんと僕は一緒に生活をします。しかし、Yさんはピロリ菌というのに罹っていて、部屋で吐血し、そのまま入院し、その後、役所のお世話になりました。Y さんは常に冗談を言うような、明るい性格のかたでした。僕の中でのホームレスのイメージが色々覆された時でした。
3つめが、最初に書きました、ホームレス支援をライフワークにしている元主治医との出会いです。
この日は雨でしたが、途中から雨が止み、雨の日は大体、並ぶ人が少なめなのですが、お弁当配布の時間までにかなりのかたが並びまして、最終的には少しお弁当が足らない状況になり、急遽用意した別の物を、足らなかった数人のかたにお渡ししました。コロナの影響なのか、炊き出しに並ぶ人達の中に、パット見普通のかたがジワリジワリと増えています。20代、30代くらいの女性や、ビシッと決めたサラリーマンなども、全体の割合は少ないものの、並んでいます。ただ、そういうかたは、支援の手も直ぐに入って、数回で来なくなる事が多いです。
また、この日は他の炊き出しメンバーより早く着き待っていたところ、あるおじちゃんに話しかけられました。
おじちゃん(以下、お)「最近、便秘が酷いんだよね。近くの公的機関まわったんだけど薬を貰えなくてさ…。」
みつや(以下、み)「水とかいっぱい飲んでみてもダメ?」
お「もう、沢山飲んだよ。(笑)」
み「そうなのかー。今日の医療相談で訴えたら、薬を貰えるかもしれませんよ。」
お「うん、そのつもりで来たんだよー。」(その後、雑談は続く。)
全てのおじちゃんが話しかけてくる訳ではないのですが、話しかけてくるおじちゃん達は、本当は誰かと話したいのだと感じます。自分の想いを聞いて欲しかったり、日々の不満とかをぶつけたいのだと感じます。炊き出しもコロナ仕様になり、数ヶ月前から僕は決まったポジション固定状態で、そこは、おじちゃん達の中に僕が一人ポツンといて、おじちゃん達と話しながらポジションをこなしています。こなす中で、5人に1人くらいは話しかけられる感じです。誤解を恐れずに言えば、僕はおじちゃん達とのやりとりがある、炊き出しの時間を楽しいと感じていて、だから、続いているのだと思います。
ホームレスになりたくてなっているかたは、まずいないかと思います。社会がこんな状況ですから、僕含め多くのかたが、ちょっとしたきっかけで、近い将来そうなる可能性もあります。生きづらさを抱えているかたが生きやすい社会になったとしたら、普通のかたはもっと生きやすい社会になるかと思います。明日は我が身と思い、少しでも自分事として捉えて、TENOHASI の活動に参加して頂けたらと思っております。
ボランティアスタッフ・みつや

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