12/28(土)炊き出しボランティア日記

今回は、立教大学からご参加いただいた学生4名に感想を書いて頂きました。
是非、ご一読ください!!


私は公園での配食は半年ぶり、調理が初の参加でした。また、1~2人で来たことはあったのですが、ゼミの友人たちと集団で来たのも初でした。そこで、以下の2つについて書きたいと思います。

1.調理ボランティアで考えたこと

 自分はこれまでの炊き出しで、あまり調理は誰がしているのか等は考えていませんでした。今回の参加で公園のある地域とは関係のない地域の人が場所を提供してくれていることや、調理ボランティアのベテランとして、メニューの考案に関わる人がいること、食材を提供してくれるところがあることなど、目には見えていないけど1人の人に丼を渡すのに、配食のボランティアだけでなく、調理ボランティア、さらには場所や材料を提供してくれる人たちの協力があるということを実感しました。調理場、公園それぞれの関係性もあると思いますし、それぞれの場で得られることも変わってくると思うので、炊き出しが単に食事の提供ではなく、関わっている人同士の生活の支え合いの場になっていると感じました。

2.知っている人と参加するということ

 自分は今回ゼミの友人たちと参加して、2つくらいの良かったことがありました。

 1つ目は「知ってもらえてよかった」ことです。配食は個人で何回か参加したこともあったので、これまでも人を誘うことはあったのですが、興味がないということで断られてしまうこともありました。そのため、興味の有無に関わらず、ゼミやレポートなどのきっかけを通して自分が知ってきたことを共有できたことは良かったと思いました。

 2つ目は「知れてよかった」ことです。普段の授業や会話の中では気づくことが少ない、友人たちの強みを他の人との交流や作業を通して知ることができたと思います。例えになってしまうのですが、調理の予約の連絡でリーダーシップを発揮してくれたり、昼食づくりで最後までベテランさんと一緒に作ってくれていたり、初めて炊き出しにくる人もいたのですが、物おじせずにコーヒーを渡していたり、通常の関りでは見れない姿が見れたのは嬉しかったです。



1228日の炊き出しボランティアに参加させていただきました。配食には参加したことがあったのですが、一度1日を通して活動に参加してみたいと思ったことが今回の参加の理由です。

 最初の調理の時間には、ひたすら人参をスライスしたり、キャベツを切ったりしていました。その作業の中で、固い部分は小さく切るようにと指示を受けました。これは食べる人のことを考えているのと同時に、野菜の固い部分なども工夫してできるだけ捨てないようにすることで、食材を寄付してくださった方の思いも大切にしているからだと思いました。また、この炊き出しに何度も参加されているボランティアの方が「ゆっくりでいいからね」や「同じ作業を続けて飽きていない?」など気にかけてくださったので初めて参加した調理でしたが楽しめました。

 お昼ご飯をいただいた後、TENOHASIさんの活動についてセミナーがありました。ハウジングファーストという言葉について学び、現状の「まずは集団生活をし、自立できると判断された人から宿泊所を出られる」という支援がニーズを反映できておらず改善の必要があると分かりました。また、ホームレスの方の中には一度部屋を得ても路上生活に戻ってしまう人がいて、その理由も様々であると聴き、継続的で個別的な支援を行うことが必要なのだと分かりました。

 池袋の公園に移動してから、配食の前にコーヒーを配りました。ここがみなさんの会話の場になっていて、ベテランボランティアの方は顔見知りのホームレスの方に体調を気にかけて言葉を掛けていました。

 配食では、おかわりの列に並んだ方からご飯の器を受け取って盛り付けるのを担当しました。器を受け取る時と渡す時には声をかけるようにし、ご飯の量もご本人に確認しながらよそいました。最後に残った分はお弁当にして配り、午前中に大量に用意したはずのご飯がすべて無くなりました。ここで、それだけ多くの人が炊き出しを必要としていることを実感しました。

 一日を通してほとんど屋外にいる状態だったため、身体が冷えましたが自分の身をもってこの活動は人が行ってこそ温かみがあって意味のある支援なのだろうと気付くことができました。年末のとても寒い時期に自分の部屋がない生活がどれだけ厳しいかを想像して、「自分の部屋があること」のありがたさに改めて気付かされる1日になりました。



↑人参・キャベツ・きゅうりの浅漬け(カレートッピング用)


私は、炊き出しのボランティアは初参加で、調理と、コーヒーの配布までを手伝わせていただきました。

調理では、人参やキュウリなどの野菜を切る作業をしましたが、みんなが切り終えた野菜を大きなボウルにまとめると、今までに見たことのないくらいたくさんの量になっていて驚きました。また、その量の野菜を目にして、たくさんの人が炊き出しを必要としているのだということを実感しました。私が調理をしていた中で特に印象的だったのは、ベテランのボランティアさんが、「食べやすいように薄く切ってね」とおっしゃっていたことでした。それを聞いて私は、炊き出しは、たくさんの量の料理をただ作るのではなくて、食べる人のことをしっかりと思いやって作るということが大切であるということを学びました。また、今回、ベテランのボランティアの方々が新メニューの試作をしていましたが、そのようなところからも、食べる人への思いやりを感じました。

配食では、コーヒーの配布を手伝わせていただきました。温かいコーヒーを渡すと、たくさんの方が「ありがとう」と言ってくださり、心が温まりました。そして、人と関わることや『居場所』の大切さを感じました。



私が今回参加させていただいたのは炊き出しの調理ボランティアでした。

炊き出しは初めてであったため緊張しましたが、ほかのボランティアの方々の助けもあり楽しく活動することができました。

この調理ボランティアの最大の特徴は「強要されないこと」だと思います。例えば私はあまり料理をしたことがなく、包丁の使い方に自信がなかったのですが、その旨をスタッフの方に話したところ、ピーラーでニンジンを剃る作業を任せていただきとても安心したことがあります。

またその時やっている作業が終わり、手が空いたとしても、直ぐに別の作業を強要されることはなく「ゆっくり休む」という選択肢をいただけます。この強要しないスタンスが、ボランティアの人々が楽しく和気藹々と作業できる秘訣なのではないかと感じました。たとえ料理が苦手な人であったとしても自分の出来ない作業を無理してやる必要がないので、自分の調理スキルに不安を感じている方にもオススメできるボランティアです。

またその後のコーヒー配りにも参加させていただきました。私はポットに入ったホットコーヒーを紙コップに入れ配る作業をやらせてもらったのですが、訪れたホームレスの方々が自分の淹れたコーヒーを「温かい」と喜びながら飲んでくださった姿がとても印象的で、嬉しく思いました。

当事者の方々はコーヒーを飲みながら、ボランティアの人と親しげに話していました。その様子を見ていると、この人たちはちゃんと親身になってくれ、自分たちの話を受け止めてくれる人がいるのだと感じさせられました。この炊き出しが、ホームレスの人々にとって重要な居場所であると深くわかりました。たとえ家がなかったても、帰る場所はあるのだと思います。

TENOHASIは食料や衣類といった物資による支援をすることのみならず、ホームレスの方々の居場所になる役割も担っているのだと思いました。

今回のボランティアは途中までしか参加できませんでしたが、大勢の人の温かさに触れることができ、とても充実した体験になりました。これからも自分にできる支援とは何か考えていきたいです。

この記事を書いた人

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